翼、尾羽を全開するとトラの顔に似る

ヤツガシラ ( Eurasian Hoopoe )

名称(ヨミ)やつがしら
中分類サイチョウ目
小分類ヤツガシラ科
形態頭から首、胸にかけてオレンジがかった褐色。翼は白黒の縞模様、尾羽は黒地に白い帯が1本入る。体の下面は白い。くちばしは下に湾曲して細長い。くちばしの付け根から後頭部にかけて長い冠羽があり、興奮したり、伸びをするときに換羽を扇状に広げる。

【体色、模様に関する仮説】
ヤツガシラの体の色や模様、振る舞いは、誰から見ても不自然で不可解なことが多く、少なくとも草地や林内における擬態とは考えられない。鳥類には毒はないため、可視光線や紫外線の反射が目立つ色合いであれば、単に天敵に狙われやすくなるだけである。ある時、2番目の画像に見られるように、運動公園の芝生上で翼と冠羽を広げつつ平たくなり、地面に伏せたことがあった。そのとき上から見ると、1番目の画像(林田博氏提供)のように、トラの顔に相当似ていることが判る。また、トラが絶滅した地域も含め、ヤツガシラの生息地はトラの分布と重なる地域が多い。(文化財保護審議委員 山田文彦)
生息種類旅鳥
概要【分布】
西ヨーロッパから東アジアにかけて広く分布し、中国北東部、沿海州などの北方で繁殖する亜種は、越冬のために南方へ渡る。国内では繁殖地へ向かう春先に記録されるが、1~3羽程度の少数である。本土での繁殖や越冬の記録がある。南西諸島では毎年通過する個体が観察され、徳之島でも2~4月に庭先の芝生や、公園の草地などで観察される。稀に、初秋に越冬に向かう個体が飛来することがある。また、2015年9月~2016年1月にかけ、越冬が確認された。

【生態】
細長いくちばしで、草地に潜むガの幼虫などの餌をつまむように捕まえ、放り上げてからパクリと食べる。秋には小型の昆虫が少なくなり、くちばしを土中へ深く差し入れ数センチもあるコガネムシ類の幼虫や、ケラなどを探し出して食べる。大きな幼虫は、何度もくちばしで突き刺してから振り回し、内臓を抜いてから食べる。

【島内の目撃情報】
周囲に隠れられる樹木があり、比較的広い芝生があれば、公園だけでなく庭先でも観察される。天城町総合運動公園では、例年3~4月に多いときは3羽が1週間ほど滞在する。
観察できる場所芝生や草丈の短い草地のある公園や庭

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